事業運営

1.役員構成

役員は、会長、副会長、専務理事、理事により構成される。出身分野は、エネルギー(電力、ガス、石油)、交通(JR、大手私鉄、航空、バス、タクシー)、メーカー(自動車、電気機器)、消費者団体、法曹界(会長)、学者、マスコミとなっており、官界出身者が含まれていない。いわゆる「天下り」に該当する人は皆無。これは、他の社団法人には見られない特徴といえよう。この背景としては、くらしのリサーチセンターが官ではなく、民の発意により創立されたことに起因するといえる。
しかし、後に見られるように行政としては各種の講演会講師を派遣し、貴重な資料・情報を提供するなど、事業運営に積極的に協力・参画している。

2.事業運営の課題

事業内容と実績については後述のとおり。ここでは問題点と課題について考えてみたい。

○会員は、法人会員15~18業種、50~60社。個人会員、賛助会員で四半世紀を推移してきた。全会員に共通するテーマとしては、環境、エネルギー、CSR問題などがあり、いずれも変転する内外情勢と深くかかわっている。従って、講演会では講師の選定、調整、視察にあたっては、その実施時期、調整、視察箇所の企画の的確さを目指した。また、企画は当該企業内では学ぶ機会の少ないものとすることに努めてきた。

○会員(企業)の担当は、総務、広報、お客さま相談室、営業部などさまざまである。各担当は、各社において本務を担当している。従って、各種の企画にあたっては、各企業担当者、当該企業のニーズ、タイミングにマッチしているかを躊躇することも少なくなかった。

○担当者に期待することは、各自が担当する当面の業務に直接関係がないと見られるテーマ、異業種についても大いに関心を持ってもらいたい。特に、国際情勢については大切なことである。このことは将来大きな実を結ぶことになるからである。

○行政の役割は、当センターにとっては大きいものであった。
 講演会、研究会の企画にあたっては、テーマ、講師、実施時期など全面的に協力を煩わせた。また、情報の官民格差是正に資するところ大であった。

○企業も行政も人事異動による担当者の交替は避けられない。大切なことは当センターにかかる引き継ぎ、企業の中には適切な引き継ぎが行われず、当該企業に損失を与えた担当者もいた。

○当センターの常勤職員は少数だが、会員企業、行政の指導・協力により運営が成り立った。

○事業内容や内外情勢については、『くらしのレポート』、『くらしのトレンド』で定期的に広報してきた。課題としては、広報活動の基本であるトゥーウエイコミュニケーションが不充分であること、多様な情報手段が氾濫する中でイノベーションが求められてきた。